チームビルディング研修の選び方|日常の協働につなげる設計
チームビルディング研修とは、共通の目的に向けて協働するために、相互理解や役割分担、対話の進め方を学び、試す研修です。選ぶときは、参加者にどのような仕事上の変化を期待するかを先に決めましょう。
「研修中は盛り上がったが、職場に戻ると元に戻った」「種類が多く、自社に合う内容が分からない」。こうした迷いには、研修前の課題整理と、研修後に実践する場の設計が役立ちます。この記事では、研修形式の比較、依頼前の確認項目、効果を振り返る方法を紹介します。表と記入例は、選定に使うための整理案です。
課題が経営チームの目標や役割、決めたことの実行にある場合は、実際の経営課題に取り組む支援も検討できます。すごい会議による経営チームへの支援を見る
研修で変えたい仕事の場面を決める
最初に、「誰と誰が、どの場面で、どう協働できるようになりたいか」を言葉にします。「一体感を高める」という目的を、日常の行動まで具体化すると、研修の内容を比較しやすくなります。
例えば、新しいプロジェクトのメンバーなら、互いの専門領域を知り、困ったときの相談先を決めることが目的になり得ます。既存の部門横断チームなら、優先順位が衝突したときに、条件を持ち寄って判断できることが目的になります。同じ研修名でも、必要な内容は異なります。
| 現在の課題 | 研修で扱いたいこと | 職場で確認する行動例 |
|---|---|---|
| メンバーが互いの仕事を知らない | 得意分野と担当業務の共有 | 適切な相手に相談できる |
| 一部の人だけで議論が進む | 意見を集める進行と聞き方 | 判断前に関係者の視点を確認する |
| 部門間の受け渡しで手戻りが多い | 相手が必要とする情報の確認 | 受け渡し条件をそろえる |
| 担当や優先順位が曖昧になる | 役割と判断基準のすり合わせ | 誰が何を担うかを説明できる |
業務量が多すぎる、必要な権限がない、方針が頻繁に変わるといった課題は、研修だけでは解決しにくい面があります。参加者の学びで変えられることと、経営者や管理職が整える条件を分けて確認しましょう。
チームビルディング研修の主な形式と選び方
研修の形式は、体験の楽しさだけでなく、目的に合う練習ができるかで選びます。以下は代表的な形式を整理したものです。実際のプログラムでは、複数の形式を組み合わせることもあります。
| 形式 | 扱いやすいテーマ | 選定時に確認する点 |
|---|---|---|
| ゲーム・共同作業 | 役割分担、情報共有、協力の体験 | 体験後に実際の仕事との関係を振り返るか |
| 対話型ワークショップ | 価値観、互いの期待、チームの目的 | 発言しやすい進行と、合意を残す方法があるか |
| ロールプレイ | 相談、依頼、フィードバック | 自社で起きる場面に近い練習と振り返りができるか |
| 実際の課題を扱うワーク | 部門連携、役割分担、行動計画 | 判断に必要な人と情報がそろうか |
| 屋外・体験活動 | 日常と異なる環境での協働 | 安全管理、身体的負担、参加方法の選択肢があるか |
交流が目的なら、互いを知る機会を設計する
新しいメンバー同士であれば、共同作業や対話を通じて、普段の仕事だけでは分からない考え方に触れる機会を作れます。その際は、個人的な経験や価値観をどこまで話すかを本人が選べるようにします。
ゲームを用いる場合も、勝敗や順位だけで終了しないことが大切です。どの情報を共有したか、役割をどう決めたか、困ったときに何が起きたかを振り返り、職場で試したい行動を選びます。
業務上の連携が目的なら、仕事に近い題材を選ぶ
部門間の調整を改善したいなら、顧客対応や納期調整など、実際に判断が分かれる場面を題材にすると、自社への応用を考えやすくなります。守秘が必要な案件は、情報を伏せたり架空のケースに置き換えたりします。
扱う題材が具体的でも、参加者に決定権限がなければ、その場で決められる範囲には限りがあります。「案を作るところまで」「責任者が参加して試行を決めるところまで」など、研修で到達する状態を依頼先と合わせましょう。
研修会社に依頼する前の確認項目
依頼前には、目的、対象者、当日の成果物、実施条件、研修後の支援を確認します。複数社の提案を比べる際も、同じ条件を伝えると違いを判断しやすくなります。
- 対象者:普段一緒に働くチームか、異なる部署から集まる参加者か。
- 課題:最近どの仕事で協働の難しさが表れているか。
- 到達点:終了時に、何を理解し、何を決めて持ち帰るか。
- 進行:発言が偏る場合や意見が対立する場合に、どう対応するか。
- 実施条件:時間、人数、会場、オンライン参加、配慮が必要な事項。
- 費用の範囲:事前ヒアリング、教材、会場、旅費、振り返り支援などの内訳。
- 研修後:行動計画の確認や、実践後の相談が含まれるか。
料金は、形式、人数、時間、個別設計の範囲などで変わります。総額だけでなく、どこまで含まれるかを書面で確認しましょう。問い合わせ時に「何となく雰囲気を良くしたい」と伝えるだけでなく、具体的な課題を添えると、提案の適合性を見やすくなります。
経営チームの協働を見直したい場合は、研修形式を決める前に、目標や意思決定の課題から相談することもできます。経営チームの課題に合う支援を相談する
研修後に実践する場を先に用意する
学んだことを使う機会と、振り返る機会を研修前から予定に入れます。「各自で活用してください」とするだけでは、何を変えるかが参加者任せになります。
持ち帰る行動を、日常の仕事に結び付ける
研修の最後には、誰と、どの場面で、どんな行動を試すかを決めます。「相手を尊重する」という姿勢に加えて、「次の案件引き継ぎで、受け手が必要とする情報を確認する」のような行動にします。
次の表は、部門間の受け渡しを改善する場合の架空の計画例です。期間は運用例であり、効果が出るまでの標準期間ではありません。
| タイミング | 行うこと | 残すもの |
|---|---|---|
| 研修前 | 最近の受け渡しで困った例を集める | 情報不足や認識のずれの具体例 |
| 研修当日 | 双方の必要情報を確認し、試す手順を決める | 受け渡し項目と担当者 |
| 翌週から | 対象業務を絞って新しい手順を試す | 使いにくかった点と確認し直した内容 |
| 1か月後 | 関係者で結果を振り返る | 続ける点、変える点、必要な支援 |
管理職にも、何を試すかと、どのような支援が必要かを共有します。従来のやり方を変える裁量や時間がなければ、参加者が行動しようとしても進めにくくなります。研修後の実践を、通常業務の計画に組み込みましょう。
定例会議で、実践結果を短く確認する
新しい会議を増やす前に、既存の定例会議などで振り返れるかを検討します。「試したこと」「起きたこと」「次に変えること」を扱い、できなかった場合は障害を確認します。
確認する機会が結果報告だけになると、困りごとの相談が遅れることもあります。次の行動を決める時間を確保しましょう。運営の約束を整理する場合は、会議のルールの作り方も参考になります。
効果は満足度と仕事上の変化を分けて確認する
研修直後の満足度は、内容の受け止め方を知る材料です。日常の協働に変化があったかは、職場で実践した後に別途確認します。
まず、研修で決めた行動を試せたかを見ます。次に、相談する相手が明確になったか、受け渡し時の不足情報が減ったか、役割の認識がそろったかなど、目的に対応した変化を確認します。数値を取る場合は、対象業務や期間をそろえ、具体例も添えましょう。
売上や生産性は、業務量、人員、制度変更などの影響も受けます。研修後に数字が変化しても、すべてを研修の効果と判断しないことが大切です。良くなった点と残る課題を確認し、次の施策につなげます。
チームビルディング研修についてよくある質問
1回の研修でも意味はありますか?
互いを知る、連携の課題を整理する、試す行動を決めるといった目的で活用できます。定着まで目指す場合は、実践と振り返りの機会を続けて用意しましょう。開催回数だけで成果は判断できません。
オンラインでも実施できますか?
対話や共同編集など、オンラインで扱える内容もあります。参加人数に応じた進行、機材、接続が途切れた場合の対応、個人で考える時間と話す時間の配分を確認します。移動の負担だけでなく、目的に合う活動ができるかで選びましょう。
すごい会議はチームビルディング研修ですか?
すごい組織が提供するすごい会議は、経営目標に向けて、目標設定や計画、進捗の確認、課題への取り組みをコーチが支援するサービスです。交流やゲームを中心とする研修とは目的や進め方が異なるため、改善したい課題に照らして検討してください。すごい会議のサービス内容を確認する
研修選びは、終了後の仕事から考える
チームビルディング研修を選ぶ前に、「研修後、どの仕事で、誰が、何を変えるか」を短く書いてみてください。その行動を練習できる内容と、実践を支える条件がそろっているかを確認しましょう。
経営チームの目標や役割をそろえ、実行を進めることが課題なら、実際の経営テーマを扱う支援も選択肢になります。現在のチームの状況と実現したい変化をお聞かせください。すごい会議の導入について相談する

会議ラボ編集部
会議ラボのメンバーが執筆をしています。
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