会議ラボ
会議とは
2026.09.08

ファシリテーションとは、参加者が考えや情報を出し合い、目的に向かって話し合えるように、その過程を支えることです。会議では、発言の機会をつくる、論点を整理する、決め方を確認するなどの働きかけが含まれます。

議論が止まったとき、進行役がすぐに答えを示す必要はありません。「何が分からないのか」「どこまで一致しているのか」を見える形にすると、参加者自身が次の一歩を選びやすくなります。この記事では、会議前の準備から意見が割れた場面まで、具体的な問いかけとともに説明します。

ファシリテーターは話し合いの過程を支える人

ファシリテーターは、ファシリテーションを担う人です。意見を採用する権限を持つ人とは役割が異なります。たとえば進行役が営業担当者、最終決定者が部長という会議でも、営業担当者は比較の視点や発言の順番を整えられます。

司会が開会、時間管理、議題の案内を担当し、別の人が議論を支援する場合もあれば、同じ人が両方を担う場合もあります。呼び方だけで役割を決めず、事前に「進行する人・記録する人・決める人」を確認しましょう。

会議全体を組み立てたい場合は、準備から実行までの会議の進め方も参考になります。

会議で使うファシリテーションの4つの観点

日本ファシリテーション協会は、スキルを「場のデザイン」「対人関係」「構造化」「合意形成」の4領域に整理しています。以下は、その分類を参考にした本記事の会議での実践例です。日本ファシリテーション協会の解説

観点会議で整えること具体的な働きかけ
場のデザイン目的・参加者・進め方終了時に残したいものを冒頭で示す
対人関係話す機会と聞き取り方発言の背景を尋ね、理解が合っているか確かめる
構造化情報や意見の関係現状・原因の仮説・対策案を分けて書く
合意形成判断基準と決め方比較する基準、残る懸念、決定者を確認する

すべてを一度に高度に行おうとせず、会議が止まりやすい場面から取り入れてください。発言は多いのに決まらないなら構造化や決め方を、いつも同じ人だけが話すなら参加方法を見直します。

会議前に目的と決め方を確認する

進行役は、開催者に「この会議が終わった時点で何ができていればよいか」を確認します。「採用について話す」よりも「応募者への連絡を早めるため、試す対応と担当を決める」としたほうが、必要な準備が明確になります。

次に、判断に必要な情報を持つ人と、実行を担う人を確認します。決定者が出席できない場合は、その場で決められる範囲や、持ち帰って承認を得る手順まで決めておきます。

意見を出す段階と案を評価する段階を分けることも大切です。最初から賛否だけを尋ねると、代案が出る前に議論が二択になることがあります。まず案を並べ、後から判断基準に沿って検討する流れを準備します。

議論が止まる場面で使える問いかけ

以下は実際の顧客事例ではなく、使い方を示すための架空の会話例です。言葉をそのまま読むより、今どこで議論が止まっているかに合わせて使ってください。

発言が出ないときは、問いを具体化する

「何か意見はありますか」で反応がないときは、考える対象を絞ります。

「今回の対応で、引き継ぎに困りそうな場面はどこですか。まず手元に書き出してから共有しましょう」

沈黙には、情報不足や考える時間の不足もあり得ます。指名を繰り返す前に、資料の疑問点を確認し、口頭以外の参加方法も用意します。発言を控えた人に理由の説明を強制する必要はありません。

話題が広がったら、論点を分ける

「人を増やすべきだ」「教育が必要だ」「手順が複雑だ」という意見は、異なる問題を扱っている可能性があります。

「人員、育成、手順の話が出ています。今日決めたいのは引き継ぎ手順なので、まず手順のどこで作業が止まるかを整理してよいでしょうか」

扱わない話題も記録し、必要なら検討する場と担当を決めます。ただ「脱線です」と切り捨てると、判断に必要な背景まで失われかねません。

意見が割れたら、重視する条件を聞く

「A案に賛成ですか」と繰り返すより、各案で守りたい条件を確認します。

「A案は対応の速さ、B案は担当者の負担を重視していると理解しました。この整理で合っていますか。両方を満たす調整はできますか」

条件が明らかになれば、案の修正や小さな試行という選択肢も検討できます。全員が同じ意見になることを急がず、異論と決定を分けて記録しましょう。

合意を実行につなげる確認

話し合いの最後は、決まった内容を参加者が同じ意味で受け取っているか確かめます。「進めましょう」だけでは、着手の時期や作業の範囲が人によって異なることがあります。

  • 実施する内容と、今回は実施しない範囲を確認する
  • 担当者本人が引き受けられるか、必要な協力があるかを確かめる
  • 期限と、何をもって完了とするかを記録する
  • 未決事項は、追加で調べる内容と次の判断の場を決める

当日の発言例を手元に置きたい方は、会議の司会進行の例文集をご覧ください。

よくある質問

上司がファシリテーターをしてもよいですか?

可能です。ただし、進行役としての整理と、自分の意見の提示を区別しましょう。「ここからは私の提案です」と伝えると、参加者が議論の整理と決定済みの方針を混同しにくくなります。

経験が少なくても始められますか?

まずは論点を見える場所に書くことと、終了前の確認から始められます。会議後に参加者へ「話しにくかった場面」「分かりにくかった整理」を聞き、次の進行に反映してください。

すごい会議と同じものですか?

ファシリテーションは話し合いを支援する広い概念です。すごい会議の概要を知りたい方は、すごい会議のやり方を紹介する記事をご覧ください。すごい組織では、経営チームの目標設定や計画、進捗の確認、問題解決を支援しています。

経営会議の進め方から実行までを見直す

次の会議では、終了時に残したいものを一文にし、最後に担当・期限・完了条件を確認してみてください。話し合いを進める工夫を、仕事の進み方までつなげることが大切です。

経営チームで目標や優先順位がそろわない、決定した施策が進まないといった課題がある方は、すごい組織の支援内容をご確認いただけます。経営会議と組織の課題を相談する

会議ラボ編集部

会議ラボのメンバーが執筆をしています。
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