会議ラボ
会議とは
2026.09.07

会議体とは、目的、参加者、扱うテーマ、意思決定の権限などを定めた会議の枠組みです。社内では個々の経営会議や委員会を指す場合も、複数の会議のつながりを指す場合もあります。この記事では、必要な判断を適切な人が行い、実行へつなげるための仕組みとして説明します。

「会議は増えたのに決まらない」「部門で話した内容を経営会議でも繰り返している」。こうした問題を見直すときは、開催時間に加えて、それぞれの会議が担う役割を整理することが有効です。

本記事では、会議との違い、会議体の設計表、見直しの手順を紹介します。経営チームの目標と実行をつなぐ支援については、すごい組織のサービス紹介をご覧ください。

会議と会議体は何が違うのか

会議は、人が集まって情報を共有したり、課題を検討したりする個々の場を指します。会議体という言葉を使う際は、その場の目的や構成、権限、継続的な運用に目を向けます。

例えば「月曜日に営業会議を開く」は開催の予定です。「営業責任者と担当者が案件の障害を確認し、部門の権限内で対策を決め、予算の追加が必要な案件を経営会議へ上げる」と定めれば、会議体の役割を具体化できます。

全員一致で決めるとは限らない

会議体だからといって、全員一致や多数決が必須になるわけではありません。意見を出す人、審議する場、最終的に決める人を区別し、自社の権限に合わせて定めます。

企業の公開資料でも、会議体ごとに目的や権限を整理した例が見られます。野村総合研究所のガバナンス体制では、各会議体の役割を明示しています。自社へ取り入れる際も、名称をそろえるより、何を扱い、どこまで決める場なのかを確認しましょう。

情報共有や検討にも役割がある

すべての会議で最終決定まで行う必要もありません。選択肢を広げる場、判断材料を検証する場、進捗を確認する場には、それぞれの成果があります。

ただし、「検討する」で終わると、次の会議でも同じ議論が続きます。判断材料を誰に渡すか、何がそろえば決められるかまで設計しておくことが大切です。

会議体を設計するときに決める項目

設計表には、開催予定だけでなく、判断と実行のつながりを記載します。以下は、社内の業務会議を整理するための記入項目です。

項目記入する内容
目的どの目標や業務を進めるための会議か
扱う議題ここで検討すること、別の場へ回すこと
決定権限誰が何を決められるか、上位の判断が必要な条件
参加者決める人、情報を持つ人、実行する人
開催条件頻度、時間、臨時開催や中止の条件
事前準備必要な資料、提案者、共有の期限
成果物決定事項、担当者、期限、完了条件
他の会議との接続判断を依頼する先、決定を伝える先
見直し運営責任者、見直す時期、確認する指標

「参加者は部長全員」「毎週開催」という情報だけでは、会議が必要かを判断できません。目的から参加者を選び、その場で得たい成果に合わせて頻度と時間を決めます。

経営会議・部門会議・プロジェクト会議の設計例

次の表は、役割分担を考えるための架空の例です。会社共通の標準や、すごい会議の教材を示すものではありません。頻度や権限は自社の規程と仕事の速さに合わせて調整してください。

会議主な役割判断の範囲の例終了時に残すもの
経営会議全社の目標と資源配分を検討する部門をまたぐ優先順位や、自社の権限規程で認められた事項方針、担当役員、実行の期限、次の確認事項
部門会議部門の目標に向けて実行を進める部門内の担当変更や、認められた予算内の対応担当者の行動、必要な協力、上位に相談する課題
プロジェクト会議納期・品質・関係者の作業を調整するプロジェクト責任者の権限内での計画変更調整内容、課題の責任者、判断を求める期限

経営会議にすべての案件を集めると、現場で判断できることまで待ち時間が生じます。一方、部門に任せるだけでは、他部門の協力や全社の予算が必要な課題が止まることがあります。判断を移す条件と、回答が戻る経路をセットで決めましょう。

例えば、営業と制作が同じ納期をめぐって調整している場合、現場で作業順を変えれば解決できるのか、別案件の優先順位を変える経営判断が必要なのかを切り分けます。「部門間で話し合ってください」だけでは、権限を超える問題が残ってしまいます。

会議体を見直す手順

現在の会議と、決まらずに残った案件を集める

まず、実施している会議の名前、目的、参加者、頻度、時間を一覧にします。正式な定例会だけでなく、定例の前後に繰り返している調整の打ち合わせも確認します。

その上で、最近の議事録から「持ち帰りが続いた案件」「同じ報告を複数の場で行った案件」「決定後に差し戻された案件」を拾います。参加者の印象に加えて、実際にどこで仕事が止まっているかを見るためです。

各議題を、決められる場へ割り当てる

会議名を残す前提で考えず、必要な判断を並べて担当する場を決めます。同じ案件が複数の会議に出る場合も、事前検討、承認、進捗確認などの役割が分かれていれば意味があります。

問題なのは、同じ情報を伝えるだけで、追加の検討や判断が生まれていない場合です。その場合は資料共有への変更や統合を検討します。廃止の判断は、無駄な会議を減らすための見直し方も参考にしてください。

判断を依頼する条件と回答期限を決める

部門で解決できないときは、「何について判断してほしいか」「選択肢と影響」「いつまでに回答が必要か」を上位の会議へ渡します。

受け取る側も、次回定例まで待てるかを確認します。納期が先に来るなら、必要な権限者へ臨時に判断を求める経路が必要です。定例の予定を守ることが、事業の意思決定を遅らせないようにします。

決定事項が実行者に届く形にする

会議の参加者全員が理解していても、実行する現場へ届かなければ仕事は変わりません。誰に、誰が、いつまでに伝えるかを明示します。

議事録は議論の記録に加え、決定内容、担当者、期限、確認方法を探しやすくします。資料の置き場所や版をそろえることも必要です。古い決定に基づく作業が残っていないかまで確認しましょう。

試行後に、判断と実行の変化を確かめる

見直し時点で確認日を決め、会議時間、持ち越した議題、判断待ちの日数、決定した行動の進み方を比較します。指標は、最初に困っていたことに合わせて選びます。

例えば「承認待ち」が課題なら、会議時間が短くなっても回答が遅くなれば改善とは言い切れません。参加者を減らした後に重要な情報が抜けた場合は、資料や関係者の関わり方を調整します。

会議体の見直しでつまずきやすいこと

社長がすべての結論を出している

幹部の参加人数を増やしても、社長が毎回すべての案を修正していれば、誰に何を任せたのかが曖昧になります。幹部が提案し、決定できる範囲と、経営者へ相談する条件を確認しましょう。

これは、社長が関わらなくてよいという意味ではありません。経営者自身が判断すべき事項を明確にすることで、幹部も責任を持つ範囲を理解できます。

会議を統合して、議題と参加者が増えすぎる

会議の本数が減っても、関係のない議題を待つ時間が増えることがあります。同じ目的や参加者か、まとめた結果その場で判断しやすくなるかを確かめてから統合します。

一部の関係者には該当議題だけ参加してもらう、報告を事前資料へ移すなど、開催方法の調整も選択肢になります。

設計表を作って終わる

設計表は運用のための合意です。議題を選ぶ人、資料をそろえる人、進行する人が内容を理解し、実際の会議で使える状態にします。

定例のたびに持ち帰りが発生するなら、参加者の意識だけを問題にせず、権限や準備資料、判断の条件を見直しましょう。定例会議の改善方法では、日々の進捗確認を具体化しています。

経営方針を幹部の実行へつなげた公開事例

すごい組織が公開する第一紙行の導入事例では、戦略の方向性はあっても、部長・支店長層の実行に課題があったことが語られています。導入後には、各支店の戦略を共有し、自ら考えて行動する変化が紹介されています。第一紙行の導入事例

ここから自社の会議体を考える際に参考になるのは、方針を伝える場と、その後の実行を確かめる場をつなぐ視点です。記事の設計表を採用すれば同じ成果が得られる、という意味ではありません。

よくある質問

小さな会社にも会議体の設計は必要ですか?

専用の文書を増やすより、まず「誰が何を決めるか」「どの課題を一緒に扱うか」を共有することから始められます。口頭の調整が増え、判断待ちが出てきたときに、簡単な一覧にまとめると確認しやすくなります。

開催頻度は週次と月次のどちらがよいですか?

扱う課題の変化と、判断を待てる期間に合わせます。毎週開催する慣習だけで決めず、会議と会議の間に仕事が進むか、問題に気づくのが遅れないかを確認しましょう。

取締役会も同じ方法で整理できますか?

本記事の設計例は社内の業務会議を対象にしています。取締役会などは自社の機関設計や関連する規程を踏まえて別途確認し、業務会議の見直しだけで置き換えないでください。

まずは、判断が止まった案件から見直す

次の会議では、最近決まらずに残った案件を一つ選び、必要な情報と決定者、その後の担当者を確認してみてください。会議体の改善は、組織図の書き換えよりも、具体的な停滞を解くことから始められます。

会議を整理しても社長への判断の集中や幹部の実行停滞が続く場合は、経営チームの目標や役割も含めて検討する必要があります。すごい組織では、すごい会議を通じた経営チームの目標達成を支援しています。自社の会議体と経営チームの課題を無料相談する

会議ラボ編集部

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