会議録と議事録の違いは?用途・記載内容・使い分けを解説
会議録と議事録は、どちらも会議で話し合った内容を残す記録を指します。使われ方には重なりがあり、名称だけで「発言をすべて記す」「決定事項だけを書く」と一律に区別することはできません。
仕事で作成を頼まれたら、まず社内の書式や過去の記録を確認し、誰が何のために読むのかを確かめましょう。この記事では、一般的な社内会議を対象に、名称の考え方、記録する内容、用途に合わせた書き分けを説明します。
会議録と議事録は、名称だけでは形式を決められない
「会議録」は会議の記録、「議事録」は会議で扱った議事の経過や結果の記録として用いられます。ただし、組織ごとの呼び方や運用があるため、名前だけで詳しさや正式性を判断しないようにします。
実際に、内閣府の公文書管理委員会の記録でも、議事録・議事概要・会議録という名称にかかわらず議論の過程を記録する趣旨が説明されています。これは同委員会での説明であり、民間企業のすべての会議に同じ書式を求めるものではありません。第37回公文書管理委員会議事録・本文3ページ(PDF)
| 確認したいこと | 名称から決めつけずに確認する内容 |
|---|---|
| どこまで書くか | 発言の経過、要点、決定事項のどれが必要か |
| 誰の発言かを書くか | 発言者の明記が必要か、役割名でよいか |
| 誰が確認するか | 作成者、会議の責任者、参加者などの確認手順 |
| どこへ共有するか | 参加者、欠席者、実行担当者などの共有範囲 |
| どの書式を使うか | 社内で指定された様式や保存方法があるか |
株主総会など、作成や保存について定めのある記録は、その会議に適用されるルールを確認してください。ここで紹介する実務用の書式だけで要件を満たすとは限りません。
記録する詳しさは、読む人の用途に合わせる
日常の社内会議では、記録を何に使うかを決めると、残す情報を選びやすくなります。次の作業を確認する文書と、判断に至る経過を確認する文書では、必要な詳しさが異なります。
| 用途 | 主に残す内容 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 次の行動を確認する | 決定事項、担当、期限、完了条件 | 実施する範囲や条件を省略しない |
| 判断の理由を確認する | 比較した案、判断基準、主な懸念 | 不採用案を含め、必要な経過を残す |
| 発言の流れを確認する | 発言者と発言の内容、やり取り | 要約する場合は発言の趣旨を変えない |
一つの文書で、冒頭に決定事項、後半に議論の経過を置く方法もあります。急いで確認する人と、詳細を振り返る人の両方が必要な情報を探せます。
同じ会議を記録すると、どう書き分けるか
以下は「問い合わせの引き継ぎシートを試す会議」の架空の記録例です。特定の顧客事例ではなく、詳しさの違いを示しています。
決定と行動を中心に残す例
- 決定事項:営業部内で、引き継ぎシートを試行する
- 判断の理由:確認漏れを減らせるか、現行手順と比べて確かめるため
- 担当:営業担当Aが初版を作成し、利用者へ共有する
- 期限:次回定例会議までに初版を共有する
- 確認方法:試行中に不足した項目と記入の負担を集める
- 未決事項:全社展開するかは試行結果を見て判断する
「次回までに対応する」だけで終わらず、作るものと使う範囲を明記しています。担当者が次に何をすればよいかを確認するための記録です。
議論の経過も残す例
「担当Aから、引き継ぎ時に必要な情報の確認が発生しているとの報告があった。担当Bは、シートを追加すると入力の負担が増える点を懸念した。検討の結果、まず営業部内で試行し、不足項目と記入の負担を確認することになった。全社展開は試行後に判断する」
こちらは発言を要約した経過の記録です。一字一句を写したものではありません。判断の背景が分かる一方、この文章だけでは担当や期限を探しにくいため、必要なら前の決定事項の一覧を併記します。
共通して押さえたい記載項目
書式の指定がない社内会議では、次の項目をたたき台にできます。会議の性質に応じて、不要なものを省き、必要な項目を追加してください。
- 会議名、開催日時、場所または開催方法
- 出席者、記録作成者、必要な確認者
- 議題と参照した資料
- 決定事項と、その理由や条件
- 担当者、期限、次に確認すること
- 未決事項と追加で調べる内容
資料名や版が分かる情報も記すと、何を基に話したかを後から確認できます。具体的なメモの取り方や文章のまとめ方は、議事録を作成する方法で詳しく紹介しています。
共有前に、誤解を生む箇所を確認する
記録では、提案と決定の混同に注意します。「試してはどうか」という発言を「試行を決定」と書くと、まだ合意していない仕事が動き始めるおそれがあります。
また、「一部の担当者で試す」と決めたのに「全員が使用する」と要約すると、適用範囲が変わってしまいます。人名、日付、数値に加え、条件や未決事項も確認しましょう。
共有するときは、確認を求める箇所と連絡先を示します。社外秘の情報がある場合は、読む必要がある人に共有範囲を合わせます。議事録をメールで共有する際の文例も参考になります。
よくある質問
会議録なら発言をすべて記載するのですか?
名称だけでは決まりません。発言を詳しく記録する指定があるか、要約でよいかを確認します。要約する場合は、意味が変わらないように整理します。
議事録は議会でしか使わない言葉ですか?
いいえ。企業の会議でも使われています。会議の種類と社内の運用に合った名称、様式を選びましょう。
録音や文字起こしがあれば、記録は不要ですか?
その会議で求められる記録によります。録音や文字起こしだけでは、決定事項や担当をすぐに見つけにくい場合があります。必要な記録を作成するための確認材料として使い、数字や発言者、決定の条件を確かめます。
依頼されたら、まず記録の用途を確認する
「会議録か議事録か」で迷ったら、過去の見本を一つ確認し、読む人と使う場面を合わせてください。会議前に記録の項目を決めておくと、当日確認すべきことも明確になります。会議全体の進め方と合わせて準備しましょう。

会議ラボ編集部
会議ラボのメンバーが執筆をしています。
会議の見直しを検討している全ての方へ最新情報やノウハウなどをお届けします。







